現在の両国国技館(写真:アフロ)

ファンとのふれあいがあってもいい

 それは決して懐古趣味的な意味ではない。相撲ファンが一番物足りなく思っているのは、構造上、花道に一般のファンが全く入れないことにある。蔵前国技館や、現在の地方場所では、花道が通路を兼ねていることもあり、土俵入りはもちろん、取組に向かう力士、戦いを終えて戻る力士を間近で見ることができる。

 相撲見物とは、まわし姿の異形の巨体と遭遇することも醍醐味の一つ。新型コロナウイルスの感染拡大で、地方場所や地方巡業が中止され、ファンとお相撲さんが接する機会が激減していた。最近ではようやく新型コロナウイルスの猛威も収まりつつあり、日常の風景もだいぶ戻ってきた。

 これを好機と捉え、現在の国技館でも、一般ファンとお相撲さんがもう少しふれあえるように工夫する必要があるだろう。