日本で生まれ育った在日コリアン3世の韓光勲(はん・かんふん)氏が、新聞記者を経て30歳で韓国に留学。初めて腰を据えて生活する韓国は驚きと発見に満ちた国だった。韓国をルーツとする筆者が「異国人」の目で等身大の韓国を伝える。(JBpress)
韓国人女性の言葉に傷ついた
腹の立つことがあった。飲み会の席の出来事だ。
先に述べておくと、「韓国で差別された」とか、そういうことが言いたいわけではない。僕はライターなので、あったことをそのまま書くのみである。
飲み会の席で初めて会った30代くらいの韓国人女性に、英語でこう言われた。
「Can you speak English? Because your Korean is not fluent.(あなた、英語を話せる? あなたの韓国語は流暢じゃないから)」
驚いてすぐに反応できなかったが、やがて怒りでワナワナ震えた。こんな侮辱はない。「あなたの韓国語は流暢じゃない」なんて、韓国で一番言われたくない言葉だ。おまけに、韓国語じゃなくて英語を話せ、と言われているのだ。
僕は母語が日本語で、韓国語を勉強するために韓国に留学しに来ている。韓国語のレベルは中上級くらいだと思う。語学学校では、上から2番目に高いクラスに所属している。その韓国人女性の言葉はそんな僕をバカにしているだけでなく、韓国語を学びにわざわざソウルにやってきた僕という存在を否定する言葉だと感じた。