ジョン・クインシー・アダムズが1821年の独立記念日の演説で使った「米国は怪物を退治するために国外に出ていくことはない」という言葉に立ち返り、交戦的な態度を改めるべきとのスタンスに立つ。
そして世界を敵や敵対者という視点でみることをやめなければならないとする。
これはある意味で理想論としての外交政策である。
ケネディ氏が本気で取り組んだ時にどういった成果が出せるのか定かではないが、いまのケネディ氏の外交スタンスであることに間違いない。
共和党に目を向けると、ドナルド・トランプ前大統領が再び選挙戦に舞い戻ってきている。
ただ世論調査では60%が「トランプ氏は出馬すべきではない」と回答しており、米有権者の過半数はバイデン大統領にもトランプ氏にも次期大統領になってほしくないとの思いであることが分かっている。
理想論を掲げるロバート・ケネディJrが米国の表舞台に立てるのかどうかは、これからの選挙戦を見なくてはいけないが、バイデン大統領にはこういうことを述べている。
「この国を建て直す方法を見つける時がきた。簡単なことであるとは言わない。しかし、少なくとも私には何が必要であるかが分かっている」
そう述べた後、父ロバート・ケネディ氏の言葉を引用して、いまの米国に必要なものを口にしている。
「互いを愛する気持ちと知恵、そして思いやりが重要」
今後、大統領選の民主党レースでケネディ氏がどこまで支持を伸ばし、本当に現職バイデン大統領の牙城を崩せるかが見ものとなる。
ケネディという魔法の力はどこまで通用するのか――。