若さを取り戻したいという人間の願いが叶うかもしれない

 いま話題のチャットGPT。米新興企業オープンAI社が開発した対話型AI(人工知能)サービスである。

 開発者のサム・アルトマン氏(37)が4月10日に来日し、岸田文雄首相と会談した。

 日本国内での利用者数はすでに1日100万を超えていると言われ、今後は日本での事務所開設と同時に、日本語でのAI精度をさらに高めていく予定だ。

 注目が集まるアルトマン氏だが、実は同氏が関心を寄せているのはAIだけではない。

 同氏は以前から「人間の平均寿命を10年延ばす」というミッションを掲げており、すでに多額の資金を投資している。

 本稿ではこの平均寿命を延ばす課題に焦点を当てたい。

 アルトマン氏は2022年半ば、サンフランシスコ郊外に本社を置くレトロ・バイオレンス社という新興企業に、1億8000万ドル(約240億円)を投資したといわれている。

 同社は人間の老化を食い止め、寿命を延ばすことをミッションにした組織で、欧米メディアの中には、同社の事業がうまくいけば「200歳まで生きることが夢ではなくなる」といった煽ったタイトルを掲げる記事もみられるほどだ。

 さらに人間の老化を逆転させる錠剤が今後5年以内に出されるという話もある。

 アルトマン氏だけでなく、いまシリコンバレーの億万長者たちの間で新たなブームになっているのが、この「不老不死」というテーマなのだ。