職場や家庭、日々のニュースやSNS……現代社会ではリアルな世界もネットの世界も、多くの“怒り”が蔓延・蓄積されています。その怒りをコントロールできず、キレてしまったり、我慢してしまったりと、上手に怒ることができない人が急増中! インドで得度出家した僧侶・草薙龍瞬師は「仏教の技法を会得すれば、上手に怒ることができる」と提案していますが――。(JBpress)
(*)本稿は『ストレスと闘う日々にやすらぎを取り戻す 怒る技法』(草薙龍瞬著、マガジンハウス)から一部を抜粋・再編集したものです。
怒ることから始めよう(でも、正しく!)
最初に、あえてお伝えします。怒ってヨシ!
「怒っちゃいけない」と我慢しないでください。「怒ってしまった」と、自分を責めるのもやめましょう。怒ることがいけないのではなく、うまく怒れないだけだ、と思い直してください。
人は生きていれば、必ず怒りを経験します。怒りを感じることは、日々いくらでもあります。悩ましい人間関係に、はかどらない仕事、ネガティブやマウントの言葉が飛び交うインターネットにかさむ生活費に老後の不安、病気、事故、災難、降って湧いた相続争い――。
ああ、もう! ストレスまみれではありませんか。
こんな日々の中で、怒ってはいけないなんて、誰が言えるでしょうか。通りすがりの迷惑な他人も、仕事・家事・子育ての悩みも、忘れられない過去のことも、明日への不安や生きづらさも、ぜんぶ怒りです。その怒りを乗り越えてほしいのです。
そもそも仏教は、やすらぎを取り戻す方法です。怒りについても、多くの智慧があります。