写真はイメージです(Zhanna Hapanovich/Shutterstock.com)

 書店のビジネス書コーナーでは、コンサルタントが執筆した様々なノウハウ本が人気を集めている。そもそもコンサルタントの基礎的なスキル、いわば土台となるOSとは何なのだろうか(「ノウハウ本のスキルではコンサルファーム出身者にかなわない根本的な理由」を参照)。20年以上にわたり戦略コンサルティングに携わってきた中村健太郎氏(FIELD MANAGEMENT STRATEGY 代表)は、著書『コンサル脳を鍛える』の中で「コンサルタントの三種の神器は『日本語』『論理』『コミュニケーション』」と結論付ける。一見、どれも身につけていて当たり前と思えるスキルだが、多くの人はこれらを「曖昧に使っている」という。思考を阻害する「曖昧さ」とは? 「ビジネス的に正しくない日本語」を例に紹介する。

(*)本稿は『コンサル脳を鍛える』(中村 健太郎著、BOW&PARTNERS)から一部を抜粋・再編集したものです。

ビジネス的に正しい日本語の原則を知る

 ビジネス的に正しい日本語とは、多義性の生じない文章。誰が読んでも書き手が言いたいことがその通りに伝わる文章である。まずは、多義性を生じさせてしまっている四大原因について、説明しよう。

 ここで言う日本語というのは、正しい日本語、ビジネス的に正しい日本語です。美しい日本語、情緒と余韻と暗喩に満ちた文学表現ではありません。

 では、ビジネス的に正しい日本語とは何かと言ったら、それは、

主張の内容について、読み手・聞き手の解釈が一意に定まる

 ということです。つまり、

多義性のない文章

 ああもとれるし、こうもとれる、といった多義性を排除した文章です。