もはや中国や台湾において、戦前の日本のように将来の兵士を増やすために国が出産を奨励しても、国民がそれに従うことはないだろう。スマートフォンが普及し情報過多となった現在、台湾でも中国でも若者の国家への忠誠心は薄れている。

若者の減少で戦意が低下?

 台湾も中国も、このような状況がこれから20年以上続く可能性がある。それは習近平が今年の4月で70歳となり、90歳ぐらいまで生きる可能性があるからだ。

 習近平は毛沢東時代への回帰を理想としているようだが、そんな息苦しい社会でTFRが上昇することはないだろう。一方、台湾の若者も、中国が攻めてくるかもしれないという状況で子供を作る気には、なかなかなれないはずである。

 そのようなことがなくても東アジアのTFRは低下し続けている。現在、韓国のTFRが1を割り込んでいる。