台湾の20代男性は既に減り始めている

 台湾は少子高齢化に苦しみながら中国の軍事侵攻に備える必要がある。それゆえに若年人口の急激な減少は、日本などよりも深刻な問題である。近年は女性が兵士になることもあるが、いつの時代でも兵士の中核は20代(20歳から29歳)の男性である。

 図3に台湾の20代男性人口の推移を示す。既に台湾の20代の男性人口は減り始めている。1990年の20代人口は211万人であったが、2021年は163万人、2030年には117万人になる。

図3 台湾の20代男性人口の推移(単位:1000人、国連人口局データより筆者作成)

 台湾の現在の兵力は約10万人であるから、2030年になっても現状の兵力を維持することは可能だろうが、若年人口の急速な減少は兵力の維持に暗い影を落とす。

 同様のことは中国にも言える。中国でも20代男性の人口がピークを迎えたのは1990年であり、その人口は1億2000万人であった。それが2021年には9285万人と2711万人も減少した。

 台湾、中国ともに少子化に伴い一人っ子が増えている。親は一人っ子が軍隊に取られることを嫌い、一人っ子が戦死することを極度に恐れている。だが少子化が進行している国でも戦争は起こる。そのことはロシアとウクライナの戦争が証明している。ただ、ロシアとウクライナの最近のTFRは共に1.5程度であり、少子化が進行しているといっても東アジアよりは高い。