「少数の人々が信じられないほどの富と権力を握っている」

「50万人以上の米国人がホームレスとなる一方で、億万長者はより豊かになった。不平等という不条理に目を向け、どうすれば富裕層だけでなく、すべての人のために機能する経済を作ることができるのかという議論を始めるべき時期はとうに過ぎている。ますます少数の巨大企業が金融、農業、運輸などあらゆる分野で支配力を強めている」(サンダース氏)

 インフレが起きる理由についても、寡占化によって巨大企業が過度に価格を釣り上げられるようになったためだとサンダース氏は断罪する。インフレが高進している間に米エネルギー大手は1年で計2000億ドルの暴利を貪った。米ウォール街の3つの大手運用会社ブラックロック、ステート・ストリート、バンガードがS&P500の構成企業の95%の大株主になった。

 少数の巨大企業、ウォール街の運用会社が米国と世界の経済システムを牛耳っている。米最高裁は億万長者が選挙を買収して政策を破壊する自由を奪ってはいけないという判断を下した。これで特別政治活動委員会(スーパーPAC)に何億ドルも出資して自分が気に食わない候補者を中傷する広告をTVやラジオに出せるようになった。

「不平等、会社所有の集中、億万長者による選挙の買収を可能にする腐敗した政治システムに加え、8つのコングロマリットが米国の90%が視聴するメディアを支配している。ロシアではウラジーミル・プーチン大統領と新興財閥(オリガルヒ)の支配が問題になっているが、米国でも少数の人々が信じられないほどの富と権力を握っている」(同)