最大5000%の高利貸しで医療費を借りる

 次に米国の60%以上がその日暮らしを強いられている現実を問いかけた。労働者は職場で働き、毎週、給料支払い小切手を受け取り、住居費、医療費、教育費、交通費、その他必要なお金を支払うと週の終わりには一銭も残っていない。「誰かが病気になったり、車が故障したり、大家さんが家賃を値上げしたりすると突然、その人とその家族が経済的困難に陥る」

 医療費を払うために「ペイデイ・レンダー」と呼ばれる高利貸しで最大5000%の年利でお金を借りる人がいるとサンダース氏は指摘する。「前例のないレベルの所得と富の不平等がある。米国では政治家の多くが富裕層から資金を得て選挙に臨んでいるため、あまり話題にならない。メディアも巨大コングロマリットに所有されている」

「今日の米国ではたった3人の大金持ちが米国社会の下半分より多くの富を所有している。トップ1%がボトム92%より多くの富を持っている。この50年で、米国や世界では労働者の生産性は大幅に向上したのに、平均的な米国の労働者の週給はインフレのために実質的には下がっている。テクノロジーは爆発的な進歩を遂げたにもかかわらずだ」

 最高経営責任者(CEO)や企業のトップが平均的な労働者より多くの報酬をもらうのは今も昔も変わらない。50年前は20倍、30倍、40倍だったのが、今では400倍に格差は広がった。コロナ危機で米国では110万人以上が亡くなった。その間も経済を支え続けた看護師やバス運転手、食料品店の店員が何万人も亡くなったとサンダース氏は振り返った。