(羽田 真代:在韓ビジネスライター)
ソウル市にある龍山(ヨンサン)駅前広場には「日帝強占期徴用労働者像」がある。いわゆる「徴用工像」だ。文在寅(ムン・ジェイン)政権下だった2017年に設置されたもので、この時は仁川(インチョン)と富平(プピョン)公園にも設置された。
これら銅像を作っているのは、「平和の少女像(慰安婦像)」の制作者として有名な金運成(キム・ウンソン)と金龧炅(キム・ソギョン)夫妻だ。
よく知られている話だが、徴用工像のモデルは日本人である。
この夫婦は、北海道の建設現場で虐待されたとする日本人を銅像のモデルに選んだ。2021年5月には議政府(ウィジョンプ)地裁・高陽(コヤン)支部が「韓国人徴用工ではなく日本人をモデルに制作された」と、像のモデルは日本人だと認定しているから韓国司法のお墨付きだ。
【参考記事】
◎徴用工像のモデルは「日本人」 韓国裁判所が「真実相当性」認定
徴用工とされる人たちの多くは自ら応募して日本にやってきた。彼らは高い給料をもらっていたし、嗜好品の煙草まで配給されていたことがわかっている。強制徴用ではあり得ない年金にまで加入していた。
しかし、この事実が韓国では通用しない。韓国側は「強制徴用被害者は21万8639人もいる」と主張する。この数字は、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時に特別法を制定して公式に認められた強制徴用被害者の数だ。
実際に一部、強制徴用された朝鮮人がいたことは事実だ。だが、徴用されたのは終戦間近になってからのことで、約22万人とされる被害者の大半は先述の通り応募工だった。
現在の尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権はこの徴用工問題の早期解決を望んでおり、2022年末から問題解決に向けて大きな動きを見せている。