一般社団法人「Colabo」に委託事業や交付金を出していた東京都。活動計算書などの書面に疑義が生じている(写真:アフロ)

 最高に面倒くさいことになっている活動家・仁藤夢乃さん率いるColaboの一件、Colaboに対する住民監査請求が棄却・却下されずに通ってしまって、年末政治の話題に華を添えています。

 監査請求を出した暇空茜さんが監査結果の内容の一部をネットで公開したのを見る限り、会計に対して「不当」という強い言葉を使い、担当部局に対して是正を勧告するという、この手の問題においては割と(かなり)強い表現になっています。

 各所で話題になっていますが、公開されている記録の限りでは、2016年以降、監査請求が通ったのは、都知事だった舛添要一さんが公用車を私用に使った程度の話です。今回のように、福祉政策に関わる団体の報告や精算において、「不当」との判断が出され、2月末を期限として処理を勧告するというのはなかなか踏み込んだ話であります。

 年末のクソ忙しい東京都庁の職員に話を聞くと、みんな一様に驚いた様子であったようです。

 本件は当初「問題なし」で処理されかけたところ、公認会計士の資格を持つ有識者からの指摘が複数あり、差し戻しとなりました。

 その結果、裏付けのない支出や過大な経費計上だけでなく、「大項目間での費消経費の移動」や提出された予算計画と寸分たがわぬ経費実績を報告する、いわゆる「すり切り実績報告」も確認されているようです。一般企業では、こうした行為は普通に粉飾決算にあたります。

 一般企業では駄目なのに、公金が入っているNPOや一般社団法人でこのような会計が横行しているのだとしたら、大変な問題です。