政府日銀が、円買い・ドル売りの為替介入を行ったことで、日本の外貨準備に注目が集まっている。これまで外貨準備が話題に上るケースは少なかったが、円安の進行や日本の国力低下によって、今後は外貨準備の重要性が高まってくると予想される。(加谷 珪一:経済評論家)
米国債を売って介入原資を作った?
政府日銀は2022年9月22日、急ピッチで進む円安・ドル高に歯止めをかけるため、東京外国為替市場において、ドルを売って円を買う為替介入を実施した。通貨安を防衛する介入は約24年ぶりのことで、ドル円相場は一時、1ドル=140円前半まで上昇したものの、その後は再び円安が進み、介入の水準である145円台を突破した。
為替介入には円高を阻止する介入と、円安を阻止する介入の2種類がある。
円高を阻止する為替介入は、手持ちの円を売ってドルを買う取引になる。政府は政府短期証券を発行し、これを日銀が引き受けて円資金を調達するので、理論上、政府は無限大に円を確保できる。円高を防止する介入に上限はなく、市場に負けること考えられない。