もとから韓国離れしていたBTSの音楽
BTSはグラミー賞に昨年、今年とこれまでに2回ノミネートされるなど輝かしい業績があるほか、国連でのスピーチやアメリカのバイデン大統領との面会など、音楽活動以外でも話題となってきた。
その一方で、彼らの音楽は韓国社会にどれほど受け入れられ、浸透しているのだろうか? という疑問を私は常に抱いてきた。
BTSの音楽はヒップポップの影響が濃厚だと言われるが、私もそう思っている。また、日本の文芸評論家の浅田彰氏は、「アメリカンポップでもなければ、コリアンポップでもない、明らかに世界の単なるポップスターになった」と彼らを評価している。要するにBTSの音楽はもとから韓国離れしていたのだ。だからこそ世界で受けた。
だがそれゆえに、兵役免除問題はジレンマに陥るのだ。BTSの兵役免除を実現させたい勢力は彼らの業績を高く認めているものの、実際には韓国社会の心を鷲掴みするまでには至っていない。その状態でBTSという名前が大きくなってしまった。
彼らの兵役免除は、そうした環境の中で議論されているのだ。