(平井 敏晴:韓国・漢陽女子大学助教授)
ポーランド第2の都市クラクフで、8月16日の夜、若者たちがウクライナの平和を訴える集会を開いていた。
それは、旧市街地に広がる中央市場広場を偶然通りかかったときのことだった。それでなくても休暇シーズンなので、ヨーロッパ各地から多くの人がこの美しい中世の街を訪ねていて、まっすぐ歩くのも難しいほどの人出だったのに、ある一角だけ、若い人がさらに密に集まって、歌や踊りでウクライナ戦争を糾弾していたのだ。
ポーランド語が全くできない身の上では、正確な理解は程遠い。それでも、プーチンとか、テロだとか、ロシア(あるいはその派生語)といった言葉が並べ立てられているのは理解できた。それと、「ポーランド」と「ウクライナ」を連呼していたのも印象的だった。
一部ではあるが英語で行われたシュプレヒコールを聞いていると、自由のために戦争を止めろ、そのためにポーランドも戦う、といった趣旨の主張を唱えていた。