藤田 たしかに。言葉を整理する必要があると思います。生まれもった疾患や障害もあるし、生活環境もありますから。
藤本 我々が目指したいのは、健やかで幸せな人生を支えると同時に、病気であってもその人なりの幸せを実現できるし、齢を重ねる中でも幸せは目指すことができる。そんな一人ひとりのより良い人生を社会全体で支え合う世界です。
このWaaSエコシステムの中では、元々保険に密接な疾病管理のヘルスケアサービスだけでなく、「Well-Aging」と「Wellness Life」のサービスに注力しています。特に女性のWellness Lifeの面では、PMSや月経困難症、更年期の課題等に加えて、現状ではプレコンセプションケア(女性やカップルに将来の妊娠のための健康管理を促す取組)や、出産・育児でも大きな負荷がかかっている女性へのサポートが十分ではないと感じています。
藤田 どういったことを実施されているんですか?
藤本 いろいろありますが、先日プレコンセプションケアの社内実証実験を行いました。例えば管理職向けのセミナーでは、妊活や不妊治療に対する認知を深めてもらおうというのが目的でしたが、参加した管理職の方が、職場に戻ってセミナーに参加したことを話すだけで職場の心理的安全が高まり、治療などの相談をしやすくなるといったことが分かりました。また、実証実験に参加した人が婦人科を受診するという行動変容につながるといった結果も出ました。こうしたサービスは日本中に広めていきたいですね。
「WaaS」を持続するために必要なこと
藤田 少し大きな話になりますが、日本とアメリカでは、ウェルビーイング産業の規模が大きく異なります。ご存知のようにアメリカには、日本の国民皆保険のようなものはありませんし、医療保険は高額、企業としても保険金額の抑制は至上命題です。