2019年4月、初めてロシアを訪問した北朝鮮の金正恩委員長とロシアのプーチン大統領(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

 このコラムは、今回で丸3年、150回を迎えました。今後とも、東アジアで発掘した様々な新情報と的確な分析をお届けして参りますので、変わらぬご愛読のほど、よろしくお願い申し上げます。

「金正恩(キム・ジョンウン)総書記が、年内にプーチン大統領の招待を受けてモスクワを訪問する――」

 そんな噂が、北京の外交筋の間で飛び交っている。

2000年から3年連続でロシアを訪問した金正日総書記

 その根拠となったのは、8月6日の朝鮮労働党中央委員会機関紙『労働新聞』2面に掲載された記事だった。

 タイトルは、「偉大なる領導者・金正日(キム・ジョンイル)同志の歴史的なロシア連邦極東地域訪問20周年を迎え、インターネット業績討論会をロシアで開催」。長文の記事だが、以下、全訳する。

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<偉大なる領導者・金正日同志の歴史的なロシア連邦極東地域訪問20周年を迎え、(8月)3日、ロシアでインターネット業績討論会が開かれた。ロシア各界の人士たちと一般市民が参加した討論会では、多くの発言があった。朝鮮民主主義人民共和国との親善・文化協調ロシア連邦委員長のビクトル・ペトロフ氏は、次のように述べた。

「偉大なる金正日同志におかれては、新世紀に入るや、3度もロシアを訪問された。年ごとに8月になると、ロシア訪問の日々を迎えられたのだ。金正日同志におかれては、ロ朝親善関係発展に深い関心を寄せられていて、大きな業績を成し遂げられた。

 その偉業を継承されている尊敬する金正恩同志と、プーチン大統領によって、今日のロ朝親善関係は新たな戦略的な高みへと到達した。

 敬愛する金正恩同志の賢明な領導のもとで、朝鮮人民は敵対勢力どもの反共和国(反北朝鮮)圧殺策動を打ち破り、(2021年1月の)朝鮮労働党第8回大会の決定を貫徹するための総進軍を促している。朝鮮人民に勝利と繁栄だけがあることを心から宿願する」