だが文政権がこだわり続けた北朝鮮追従政策は、尹政権になって完全に白紙化された。尹政権は北朝鮮の非核化意思を否定し、「もしも核実験を行えば、制裁の強化などで対応する」としている。また、度重なるミサイル発射に対しては、北朝鮮のミサイルと同数の地対地ミサイルを発射し迎撃態勢を誇示することもためらわない。日米韓防衛相会談では北朝鮮のミサイル探知・追跡合同訓練の実施に合意もした。

 尹政権は北朝鮮の挑発行動には実力を持って対抗できることを示そうとしているのだ。

北朝鮮による韓国公務員殺害の事実をわい曲、北朝鮮の残虐性隠蔽

 先ごろ、文在寅政権が北朝鮮追従のためについた「ウソ」も露見した。

 2020年9月、韓国水産部の公務員A氏が北朝鮮軍に殺害されるという事件が起こったが、この事件の捜査を担当していた仁川海洋警察は、事件から2年7カ月ぶりに、A氏の遺族に対し「北朝鮮軍に対する殺人罪容疑捜査を中止する」という「捜査結果通知書」を伝えた。「被疑者が北朝鮮の軍人で人的事項が特定されず、北朝鮮の協力等を期待することができないため」という。

 事件発生当時、文在寅政権の大統領府と民主党は「A氏が自発的に越北を試みた状況がある」と説明していた。しかし尹政権になって韓国政府は「自主的に越北を試みたとは見ることができない」と正反対の結論を下したのだ。

 2020年9月21日、海洋水産部の公務員A氏は、黄海北端の小延坪島海上で行方不明になった。その後、海上で北朝鮮軍の銃撃を受けて死亡、遺体は北朝鮮軍によって焼却されたという事件だ。

 当時、朝鮮戦争の「終戦宣言」実現に意欲を燃やしていた文在寅大統領にとって、北朝鮮との関係を悪化させかねない事件と映った可能性もある。そのためか、文政権は北朝鮮が遺体を焼却したという事実を「焼却したと推定されることから共同調査が必要」などとし、捜査は一向に進展しないままだった。