デリヘル送迎はまさかの自家用車
事務所には、こじゃれた机にパソコンが1台あるだけ。生活感はもちろんないが、事務所的な雰囲気もない。固定電話はなく、発注はネットで受けているようだ。
デリヘルは警察に届出を出せば、誰でも簡単に開業できる仕事だと言われる。反社会的勢力が関わっているような印象があるが、実際にはごく普通の社会人が経営している店も多い。
ソープランドの経営者にホームページ制作を依頼されたという知人に聞いたところ、打ち合わせに現れたソープの社長は、白シャツに黒縁メガネの若い草食系男子だったそうだ。風俗業界の裏方は、みんながみんな『新宿スワン』(歌舞伎町の風俗スカウトを主人公にしたマンガ)のような人ばかりではないらしい。だからと言って、業界全体が健全化しているとは言えないが……。
デリヘルドライバーの雇用形態は業務委託契約(個人事業主)が多く、風俗でサービスする女性たちと身分は同じだ。Gさんの場合、お店と契約書を取り交わすことなく、運転免許証のコピーを取って、報酬の振込先を伝えただけだったという。
「デリヘル送迎では、基本的に自分の車を使用します。お店が車を用意してくれるのは一部の大型店くらいでしょう。ガソリン代は時給とは別に支給され、月末に走行距離を伝えます」
これにはちょっと驚いた(そういえば、宅配便の配送を行う個人契約のドライバーも、配達には自分の車を使用する)。都内にあるデリヘルにもいくつか問い合わせたところ、やはり自家用車を使用することが基本のようだ。
とあるお店に「軽自動車でもいいのか」と聞いてみたところ、車種は問わないとの返事だった。