それができれば、部下たちがプーチン氏の次の身勝手な計画に歯止めをかけるかもしれない。
ドンバス地方の膠着状態はただ次の戦いをお膳立てするだけで、その戦いが今日よりもさらに大きな脅威になる恐れもあろう。
NATOが取るべき防衛体制
とはいえ、たとえ敗れてもプーチン氏は危険な存在であり続ける。
従って北大西洋条約機構(NATO)が受けとめるべきメッセージは、現在のトリップワイヤー(仕掛け線)防衛体制の更新が必要だというものになる。
この体制は、ロシアが例えばバルト海諸国の領土の一部に手を伸ばした場合、初めのうちは成功するかもしれないが、それが引き金となって大規模な戦争が始まり、最終的にはNATOが勝利するとの考え方に基づいている。
この防衛体制は計算違いが生じたり事態がエスカレートしたりするリスクを内包しており、ロシアの通常戦力が弱い場合にはそのリスクがさらに切迫する。
であればNATOは、ロシアが最初から苦戦しそうだと思うような大規模な軍隊を前衛に配置した方がいい。
プーチン氏とその腐敗した軍隊から身を守るには、戦闘そのものを思いとどまらせるのが一番だ。