コロナ感染防止対策でもバリ島を最優先に規制緩和を打ち出し、海外からの観光客をすでに迎え入れている。これもG20会合をにらんだ政策で、G20会合にかけるインドネシア政府の意気込みが相当なものであることがうかがえる。
ロシアのウクライナ侵攻の思わぬ余波
そうしたG20会合への「熱烈歓迎」の中で起きた2月24日のロシアによるウクライナ侵攻は、インドネシアのG20歓迎ムードに水を差すものとなった。
インドネシア政府がウクライナ情勢を見守る中、3月23日に在インドネシアのロシア大使館の大使が「G20会合にプーチン大統領は出席する予定である」と発表して、インドネシア政府に釘を刺した。
これに呼応するかのように中国外務省報道官は「ロシアはG20の重要なメンバーであり、いかなる参加国も他の参加国をG20会合から排除することはできない」とロシアを援護射撃してロシア排除の機運が高まる欧州などを牽制。
インドネシア政府は、今のところは「すべてのG20メンバーを招待する」という立場を崩していない。3月24日は、インドネシア外務省が記者会見で、ロシアがウクライナに侵攻する前の2月22日の時点で招待状を送付していることを明らかにしている。
だが、ロシアのG20参加に「絶対反対」の立場を示す国も多いのも事実だ。