トランプ:プーチンは豹変した
ロシアが連日続けるウクライナ攻撃。逃げ惑うウクライナ市民と破壊された街並みの映像が流されては、それまで無関心だった米国市民も黙っているわけにはいかなくなってきた。
「プーチンは英雄だ」と言って顰蹙を買っていたドナルド・トランプ前大統領もメディアから叩かれている。
これまで沈黙を守っていたが、3月15日、親トランプのワシントン・エグザミナーとの電話インタビューに応じてこう言い放った。
「驚いた。プーチンがウクライナ国境に軍を送ったのは交渉を有利にするための戦術だと思っていた」
「タフなやり方だが、賢い交渉術だと思っていた。グッド・ディールだと思っていた。言ってみれば、貿易交渉の時に私がやってきたようにだ」
「ところがプーチンは豹変した。私はそう思っている。非常に悲しいことだ。世界にとって悲しいことだ」
「私はロシアに対してタフだった。ところが私はロシアにソフトだと、あらぬ非難を浴びている」
前言を翻したり、訂正したことのないトランプ氏だが、今回も「プーチン英雄論」は撤回せず。「変わったのはプーチン」という論法だった。
プーチンにそれほどタフなら、ここは「ウラジーミル、即時攻撃を中止せよ」と一喝してもよさそうなものだが、それは一切なかった。
「『北大西洋条約機構(NATO)は張り子の虎』と言い放ったトランプ氏だが、いざとなると、トランプも張り子の虎だ」(米主要紙の政治ジャーナリスト)と言われても仕方ない。
トランプ氏の口車に乗って「プーチンは英雄」とオウム返しに言ってきた親トランプの下院陣笠議員たちもここにきて沈黙。共和党幹部たちは中間選挙を控えて顔面蒼白だ。