2月3日のテレビ討論会に出席した韓国大統領選候補者(左から沈相奵・李在明・尹錫悦・安哲秀の各氏、写真:AP/アフロ)

 韓国の大統領選挙まであと2週間になった。直近の世論調査では野党の尹錫悦(ユン・ソギョル=1960年生)候補が一歩リードしているが、混戦状態が続いている。

 最後の焦点は、世論調査からは見えてこない「シャイ(隠れ)進歩系支持者」の存在と尹錫悦候補の「失言」か。

 筆者はこれで6度目の大統領選挙を韓国で見ることになるが、これほど盛り上がりに欠ける選挙は初めてだ。

 連日10万人前後の新型コロナウイルスの新規感染者数が出て、最大の関心事が「コロナ」になっている。

 有力候補者はそれなりに支持者を集めて演説会などを開いているが、韓国独特の数万人、時には10万人以上を集めての熱狂的な集会とは程遠い。

尹錫悦41% 李在明34%

 最新の世論調査を見ると、野党・国民の力の尹錫悦候補が一歩リードしている。

 2022年2月18日に発表になった韓国ギャラップ研究所の世論調査での支持率は、尹錫悦候補41%、与党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン=1963年生)候補34%で、その差が7ポイントに開いた。

 2月20日発表のリアルメーター、オーマイニュースの世論調査は、尹錫悦候補42.9%、李在明候補38.7%だった。

 他の世論調査でも、尹錫悦候補優位の結果が相次いでいる。

 韓国ギャラップの次の分析が最近の情勢を端的に示している。

「李在明候補の支持率は2022年に入って34~37%で推移している。一方の尹錫悦候補の支持率は1月第1週の26%からずっと上昇している」