米国政府は「外交的ボイコット」をしたものの、2022年北京冬季五輪は2月4日、予定どおり開催された。
しかし、北京冬季五輪の開会式を見た韓国人は目を疑い、怒り心頭に発した。
開会式のパフォーマンスで韓国の伝統衣装である「韓服(ハンボック)」を着た少女が映っていたからだ。
そのパフォーマンスは、「小市民の国旗伝達」というシーンで、中国の民族を代表する人たちを象徴し少数民族の衣装をパフォーマーたちが着ていた。
その中の一人が韓国の伝統衣装である「チマチョゴリ(女性用の伝統衣装)」を着ていたのだ。
この事実だけを切り取ってみると、中国の少数民族の一つである「朝鮮族」が韓服を着ているだけなので、特に目くじらを立てる必要はないと思われる。
ただ、これまで文化侵略まがいの中国の仕業を考えると、腹が立ってくるというのが韓国人の心情だ。
例えば、中国は2002年から2007年に「東北工程」というプロジェクトを進め、現在の韓国を含む朝鮮半島に存在していた高句麗と百済(新羅が含まれることもある)と、沿海州にある渤海を中国史の地方政権として歴史観をまとめている。
つまり、韓国と北朝鮮は中国の属国であるという歴史観である。
これは、2006年に中韓間の外交問題に発展したが、政府レベルでは「学術討論で解決すべきで、政治問題にしない」という合意に至っている。