新年の会見をする「共に民主党」の大統領選候補、李在明氏(2022年1月4日、写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

(藤原 修平:在韓ジャーナリスト)

 泣きっ面に蜂というのは、まさにこのことを言うのだろう。

 投票日まであと1カ月ほどとなった韓国大統領選挙に与党「共に民主党」から立候補予定の李在明(イ・ジェミョン)候補のことである。

 対立候補、尹錫悦(ユン・ソンヨル)候補との激戦が予想されていたなか、年末年始に尹氏自身が所属する野党「国民の党」の代表、李俊錫との意見の不一致が表面化し、1月5日には党選挙対策委員会の解散が宣言された。李候補としては対抗馬の願ってもいない大コケである。その時は、さすがに李候補は支持率を伸ばすのではないかと思った。ところが蓋を開けてみると30%台後半から一向に伸びる気配がないのだ。

 このような状況になっているのは、この2人の有力候補の周辺でさまざま疑惑が取り沙汰されているからである。それがどのようなものかは、これまでもいろいろな報道がなされているので、ここでは割愛する。

両候補の妻に疑惑が持ち上がる

 今年に入ってすぐ、李候補が世論調査で軒並み尹候補よりも優勢になった。“妻の疑惑”がなかったこともその要因の1つだ。