想像以上に多い北朝鮮に戻りたいと考える脱北者
韓国の脱北者社会は、今回のキム・ウジョンのDMZ北朝鮮再入国を目の当たりにして、韓国社会が、脱北者に対する冷遇や軽視を止めなければ、より多くの逆脱北者が生じると大変憂慮している。
2005年に脱北し、韓国で同じ脱北女性と家庭を築いたアン氏は、「子供が友達から、『君のパパ、あちら側から来た人だ』『国を裏切った逃亡者だ』と言われたという話を聞くと心が痛い」「韓国に来て家庭を築いて生活しているが、越北した方の心情も理解できる」と語った。
北朝鮮人権情報センターの昨年の調査によれば、「北朝鮮に戻りたいと考えたことがある」と回答した脱北者は全体の18.5%で、2020年(14.8%)より3.7ポイント増えた。脱北者の中には、特に最近差別的な視線が強くなったと感じる人が少なくない。
ある脱北者団体のトップは、「(核兵器やミサイル発射など)北朝鮮の挑発があると、差別発言が激しくなるのを感じる」「脱北者は北朝鮮政権の被害者であるだけに、政治とは分離して見てほしい」と語る。北朝鮮人権情報センターの調査では、回答者の20.9%が「この1年間、脱北者という理由で差別を受けた」と答えている。
死を覚悟した決断の果てにやって来た韓国で、脱北者が疎外感や孤独を感じずに、精神的にも元気よく生きていくことができる方法はないのだろうか。
もちろんある。100年の歴史を持つ、米国の難民定住政策と制度を、ベンチマーキングすることだ。