日本軍の真珠湾攻撃で激しく燃えて沈む戦艦「アリゾナ」(写真:ロイター/アフロ)

社会風刺とは無縁なエロティック漫画家

 肉感的な女性を描いて(一部)男性陣から絶大な人気を博してきた著名な米漫画家が一コマに書いた差別用語でロサンゼルス・タイムズから即刻、掲載を打ち切られてしまった。

 漫画家の名はブルック・マケルダウニー氏(62)。

 同紙のほか全米60紙にユナイテッド・フィーチャーズ・シンジケート(UFS)を通じて連載コミックを25年間にわたり描いてきた。

 元々は、「バーバー家」の女性3世代を主人公にした連載漫画だが、最近ではそこからスピンオフしたテーマの作品になっている。

 登場する女性はすべてグラマーで身体の線を強調したドレスや水着を着ている。

 同氏の漫画は「言いようのないほど、もったいぶった、それでいて、独りよがりのエンドレスな自慰的コンテント」(ネイサン・ラビン氏)だといった批評もある。

 2005年には全米漫画協会最優秀賞を受賞している。

http://www.dailycartoonist.com/index.php/2021/12/03/los-angeles-times-discontinues-9-chickweed-lane-gocomics-erases-december-1-episode-from-internet/

 同氏は漫画家としては変わり種で、名門ジュリアード音楽院でビオラ演奏を学んだ。その後スクール・オブ・アメリカン・ダンサーに入り、もっぱら踊るダンサーの描写に専念した。

 そのことが、のちに漫画を描くうえで女性たちの指先や手足の動きに美しい流れを醸し出し、エロティックな画風になっていったという。

ブルック・マケルダウニー氏の漫画「Pibgorn: The Girl in the Coffee Cup」(ペーパーバック)の表紙