李在明氏が韓国の国体を否定するような発言を行うことには驚かされる。同氏の発言を聞いている限り、戦後の韓国の歴史自体が誤りであったかのような印象を受ける

 さらに李在明氏は「侵略国家の日本が分断されなければならないのに、なぜ被害国家である韓国が分断されなければならなかったのか」と繰り返し発言している。韓国人の心情の中にそのような見方があることは否定しないが、大統領候補が公にそのような発言を行うのは見識が疑われる。

今の日本にも「軍国主義勢力」

 李在明氏は中央日報紙が7月23日に掲載したインタビュー記事の中で「(日本が強硬なのは)日本軍国主義勢力の侵略意思のためだ。日本が独島をなぜ繰り返し問題にするのか。いつか大陸に進出する時、トリップワイヤー(=地雷などの仕掛け線)にするためではないだろうか。私は日本の大陸進出の夢が武力的方式で噴出する場合に対応すべきだという考えを持っている。軍事的に北も重要な相手だが、日本に対しても警戒を緩めてはいけないと考える」と述べている。

 11月25日の外信記者クラブ懇談会でも似たような発言をしている。

「今も軍事大国化を夢見ていて、韓国が実効支配している独島(島根県・竹島)に対して、絶えず自らの領土だと言い張って挑発している。過去の歴史を明確に認めて、心から反省しているとは思えない」

 どうも李在明氏の頭の中では、日本は今も軍事大国化を志向している国家として刻み込まれているようだ。第二次大戦後、日本が平和憲法を保持し、毎年8月15日に不戦の誓いを新たにしていることを全く持って評価していないようだ。

 だからだろう。日米韓3カ国の軍事同盟結成の是非についても「当然反対する」と表明した。「日本はいつでも信頼できる友邦国家だろうか。なぜ独島(竹島の韓国名)についていつまでも問題提起をするのか」と警戒心をむき出しにしているのだ。