米国に対し「日韓併合」、「朝鮮半島分断」の責任を追及する李在明

 李在明氏は、大韓民国の成り立ちの過程自体にもいくつもの不満を持っているようだ。

 訪韓した米ジョン・オソフ上院議員との11月12日の面談で次のように述べている。

「韓国は米国の支援と協力によって戦争に勝ち、体制を維持することができた。そして経済先進国として認められるという成果をあげた。しかしこの巨大な成果の裏には小さな陰がありうる」

「韓国が日本に併合されたのは、米国が桂・タフト協定(1905年米国が日本と締結した密約であり、米国のフィリピン支配権と日本の大韓帝国と支配権を相互承認した密約)があったからである」

「のちに日本が分断されたのではなく、戦争被害国である朝鮮半島が分断され、戦争の原因になったということは、否定できない客観的事実」

 こうした発言以外にも、李在明氏はこれまでに再三、現在の大韓民国は「親日勢力が米占領軍と合作して作ったもの」「(いまだに)親日残滓が完全に清算されていない」「日本の敗戦後、38度線以南を軍政下に置いた米軍は『占領軍』である」とも述べている。

 米国は第二次世界大戦終了後、38度線の南部に進駐した。しかし、それは韓国を占領するという意図ではなく、ポツダム宣言に基づいて朝鮮の独立を進めるためのものである。米国は、その後北朝鮮の侵略や中国軍の介入から韓国を守るため大きな犠牲を払い、朝鮮戦争後も北朝鮮の度重なる挑発から韓国の安全を守るために主導的役割を果たした。李在明氏は韓国の現在があるのは米軍のおかげであるとの認識を有しているのだろうか。

 北朝鮮の侵攻を黙認したソ連や、朝鮮戦争に介入した中国非難はしていない。それなのに、米軍の支援によって現在の韓国が守られ、GDPで世界のトップ10に入る経済大国に発展したことは間違いだった、北朝鮮と一体となって、朝鮮労働党の一極支配に入った方が良かった、とでも言いたいかのようだ。