ワーナーもディズニーもデップ使わず

 同判決を受けて2021年7月26日、配給・上映決定権限を持つサム・ウルマン上級副社長が、2021年2月映画「ミナマタ」の米国内での上映予定を当分見合わせる決定を下した。

 同氏はこの映画を「葬り去る」とまで発言したとハリウッド業界紙は報じた。

 ハリウッドの他の大手プロダクションもMGMに追従した。「ボイコット・デップ」だ。

 この判決を受けて大手ワーナーブラザーズは、映画「ファンタスティック・ビースト」シリーズ3作目のゲラート・グリンデルバルド役に内定していたデップをデンマーク人俳優、マッツ・ミケルセンに差し替えた。

 ミケルセンはジェームズ・ボンド映画21作目の「007カジノ・ロワイヤル」で主敵のル・シッフルを演じて世界的評価を得た実力派だ。

 ディズニーもデップの当たり役だった「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズのジャック・スパロー役から外すと言い出した。

 出演料1本5000万ドル(約40億円)のデップにとっては大打撃だ。

 それでなくともデップは金遣いが荒く、これだけ稼いでいるのに2017年には浪費による散財のせいで破産が報じられている。

 破産をめぐってデップは、マネージャーの違法行為があったと主張して訴訟騒動にまでなっている。