陸海空3軍は「腕の入れ墨」を許可
米独立戦争の際、英軍と戦うために酒場で志願者を募って編成された米海兵隊(Marine Corps)。
平和時には何度か廃止の危機に遭いながらも、世界の海兵隊の中で唯一独立した軍として存続してきた。
退役後も肩書は退役ではなく、現職海兵隊員の肩書を持つ。「伝統と誇り」を持ち続ける全員志願制の18万人(予備役3万8500人)の軍団だ。
その海兵隊が10月29日、14年間堅持してきた隊員に対する「腕入れ墨禁止令」の全面解禁に踏み切った。
ミレニアム世代の4割までが刺青を彫っているという米国で、海兵隊がこれまで禁じてきたのが、「スリーブ・タトゥー」(Sleeve Tattoo=腕に彫る入れ墨)だ。
このルールが制定されたのはイラク戦争の真っ只中。その頃から若者の間には入れ墨がはやり出し、入れ墨をした若者の海兵隊志願者が激増していた。
そうした風潮に逆らって、海兵隊は「海兵隊は勇士として目に見える箇所、腕、頭、顔、首などには入れ墨はしない」というルールを決めていたのだ。
創設時期では海兵隊の後塵を拝する陸海空3軍や沿岸警備隊にはそうしたルールはなかった。「頭、顔、首」以外なら体のどの部分にも入れ墨を彫ってもよかった。
例えば、陸軍は腕に入れ墨を入れるのは原則として兵士の自由。
手首もリング状のものなら1か所に限ってOK。ただし手首、手、首、顔、頭は御法度。
また文字は人種的、性的差別用語、極右、極左のような過激主義的な文言や猥褻なものは禁じている。
反憲法、反州法的なスローガンや政府転覆やクーデターを示唆するような文言も禁止されていた。