COP26へ出発する岸田文雄首相(2021年11月2日、写真:つのだよしお/アフロ)

(平井 敏晴:韓国・漢陽女子大学助教授)

 岸田首相は、韓国でこれからブレイクするかもしれない。

 徐々に世界が「ウィズコロナ」フェーズに移行して各国間の往来ができるようになるなか、韓国の隣国の日本が入国制限を徐々に緩和しつつある。まず、外国人技能実習生や留学生、短期滞在のビジネス関係者などが条件付きで入国できるようになる。観光客の入国再開についても、近々検討されるだろう。韓国では、入国制限緩和に向けた岸田首相の尽力を評価するムードが高まっているのだ。

 私自身も大学で教鞭を執っている立場上、今回の日本の入国再開措置でずいぶんとホッとしている。

 教え子の中には、日本の大学に留学している学生がいる。コロナ禍のせいで日本の大学の授業をやむなくオンラインで聴いていたが、ようやく渡航の準備に入れましたとの連絡をもらうようになった。

 また、わざわざ挨拶に来てくれた教え子もいる。これまでは連絡をとるたびに「私はせっかく留学しているのに、いつになったら日本に行けるんでしょうか」と落ち込んでいたが、挨拶に来た彼女は、今までのやり取りが嘘のように満面の笑みだった。