「実店舗では買いづらいけどオンラインショップなら」という消費者が増加

 折しも10月14日には、ファーストリテイリング本体の2021年8月期の決算が発表された。そこで触れられている韓国事業については「通期で若干の減収も、黒字化しました」と説明されている。

 韓国メディアは、ユニクロの「堅調」の要因をこう分析している。有名ブランドとのコラボ戦略と共に、オフラインショップを減らして「シャイ・ユニクロ族」を狙ったインターネット販売を強化する戦略が功を奏した、と。「シャイ・ユニクロ族」とは、ユニクロを愛用しているのだが、周囲の視線を気にして、実店舗ではなく、オンラインショップで製品を購入しているユーザーを指す。

 このようにネット上にはまだ「ノージャパン」を強く主張する意見が残っているが、実生活で「何が何でも日本製のものは受け付けない」などという人は減ってきているようだ。オンライン上で旭日旗論争を巻き起こし、韓国のネット民やメディアから総攻撃を受けた日本のアニメ『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』は、今年1月に公開されてから31週間も上映され続け、215万人を超える観客を動員している。現時点で2021年の興行5位にランクインしている。

 日本食の人気も高い。若者の間では韓国の寿司屋に入り、値段の張る「おまかせコース」を頼むことが大流行しているし、若者たちの街で食文化の激戦地と言われる弘大前には過去10年間で日本食堂が33.5%も増加したという統計もある。同期間に韓国料理店が8.6%、洋食レストランが30.5%減ったことと比べると、驚くほどの成長ぶりだ。