作られた「ノージャパン運動」

 そもそも韓国社会に浸透したノージャパン運動は、最初から消費者によってではなく、販売側、それも労働組合側が主体となって始められた「強制的」なキャンペーンだった。日本政府の輸出規制発表直後、スーパーで働く労働者で構成された「全国マート産業労働組合」は、「顧客に日本製品の案内を拒否する」という宣言文を発表し、韓国の3大スーパーチェーンであるイーマート、ロッテマート、ホームプラスに日本製品販売中断を要求する公文書を送った。

 宅配労働組合もユニクロ製品の配送を拒否すると宣言した。彼らは、組合員にユニクロ製品の配送を拒否する姿を写真にとってインターネットに掲載することを奨励し、「ユニクロは配達しません」と書かれたステッカーを配り、配送車両に貼るよう促した。

 これに全国各地の市民団体や自営業者団体も呼応し「日本製品は売らない!」というデモを続けた。大邱のあるスーパーでは「アサヒ プライムリッチ198万ウォン(約19万円)」、「ほろよい99万ウォン(約9万円)」などのどんでもない値札をつけて、「買うなら買ってみてください!」という案内文で、日本製品を購入しようとする消費者をからかった。

2年前、韓国では日本製の食品や飲料に法外な値段がつけられて店頭にディスプレイする姿が報じられた。これで日本にひと泡吹かせたつもりだったのだろうか(写真:YONHAP NEWS/アフロ)

 しかし、このように狂気溢れるノージャパン運動が、最近、下火になっているというニュースが韓国社会のいたるところから聞こえてきている。ユニクロが世界的なデザイナー相澤陽介氏とコラボした「ユニクロ アンド ホワイトマウンテニアリング」商品は、発売開始からわずか2時間で完売したというニュースが複数のメディアで伝えられた。