「我々は常にチャレンジャー」
三部社長は4月の社長会見で、2040年までにグローバルで四輪の新車を100%電動化(EVと燃料電池車)すると宣言した。さらにホンダの魂とも言えるF1から撤退して、開発リソースを、電動化を中核とした新規事業に振り分ける。
2020年10月、菅義偉首相は「2050年カーボンニュートラル」の実現を目指すことを宣言した。そして同年12月には経産省が「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」(以下「グリーン成長戦略」)の初案を公表。その後、2021年6月に公表された「グリーン成長戦略」では、「2035年までに、乗用車新車販売で電動車100%を実現できるよう、包括的な措置を講じる」と明記された(ここでの「電動車」にはEV、燃料電池車のほか、ハイブリッド車とプラグインハイブリッド車を含む)。
ホンダとしては「2050年カーボンニュートラル実現のためには、市場での保有車両の入れ替えには少なくとも10年はかかるとして、2040年という目標を立てた」(三部社長)という。
こうした新しい事業計画を推進するため、ホンダは近年、商品の企画や営業を行う本田技研工業(本社)と、研究開発に事業を集約する本田技術研究所(研究所)の関係を見直し、統合を進めてきた。その結果、現在の研究所では、先進技術研究所、先進パワーユニット・エネルギー研究所、旧パワープロダクツ事業部のライフクリエーションセンター、デザインセンター、HRD Sakuraが、中長期の視野に立った「夢の実現」に向けて研究開発に注力している。
