日本企業はデジタルトランスフォーメーション(DX)でどのように変われるのか――。
月極駐車場のDXという新しい分野を切り開いてきたハッチ・ワークの大竹啓裕会長が「DXの現場訪問」と題し、今話題となっている「企業経営者」にインタビューする新シリーズ。
第1回はサイボウズの青野慶久(あおの・よしひさ)社長に登場いただいた。
働き方改革の最先端企業として注目度の高いサイボウズの青野社長が考える「DXの本質」について、前後編2回に分けてお送りする。今回は後編。前編は(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/67058)から。
クラウド事業への転換
大竹:サイボウズ社の強みについてお聞きしたいと思います。
今では、クラウドという言葉は当たり前になりましたが、御社はいわゆるパッケージソフトからクラウドサービスへの転換がとても早かった印象があります。
青野:常にバットを早く振るタイプなので、早めに感じられたかもしれません(笑)
大竹:(笑)
パッケージソフト販売による万単位の売上高から、月々数百円のクラウドサービスへの移行は、経営的にはかなりリスクが高い難しい判断が必要だったと思います。
青野:これは、早すぎてもいけないし、遅すぎてもいけないと思います。クラウドという言葉が出始めた頃から、かなりタイミングを見ていましたね。
大竹:クラウド移行の決め手となったポイントは?
青野:最終的には、パッケージの販売数字が伸びなくなってきて、このままではダメだと判断したからですね。
ただ、クラウドの場合は今月契約してもスグにお金は入ってきません。しかも翌月になっても「あれだけ頑張っても1000円×20ユーザーで2万円かよ!」みたいになってしまう(笑)。