前回では「マスク」の物理を「熱」の観点から扱いました。世の中には、マスクのウイルス飛散予防効果に関するシミュレーション記事はいろいろ出ていると思います。
細かなことはここでは触れませんが、端的に言うとマスクにも有効なものとそうでないのがある。
不織布のマスクで飛散を予防すべきで、ウレタンのマスクにはほぼ防疫効果が期待できないことが、東北大学からの声明(https://web.tohoku.ac.jp/hondou/stat/)などでも報告されています。
もっと本質的には、マスクの主要な効果は感染しているかもしれない「私」が「他の人」に伝染さないためにつける「エチケット」である点です。
マスクをしていたからといって、ウイルスを含むエアロゾルの吸引が抑えられ、自分が感染しないといった効果はあくまで副次的です。
本質的には「ばらまかない」が1の1なのですがこのあたりも根本的に日本社会には定着しなさそうで、私自身、正直あきらめムードです。
ポイントは、この「ウレタンマスク」同様、効果がないものでも、ルールの文言に「マスク着用」と書いてあれば、穴が開いていようと、意味がなかろうと、ウイルスダダ洩れであろうと「マスクはマスク」と<チェック>してOKを出してしまう点でしょう。
これから冬場、第6波のピークを迎え、さらにその下り坂の時期には「大学受験」という年中行事が(受験生のみならず私たち大学教員を)待ち受けています。
2020年は、おかしな中年男の「受験生」が「鼻マスク受験」で騒ぎを起こし、最後は警察に逮捕されるという、コントのような出来事すらありました。
しかし、哀れにもこの入試行事に動員される大学教授諸兄姉は(いや、私もその一人です)マスクのチェックはしても、それがウレタンか、ガーゼか、不織布かなどということは、チェックするマニュアルには、たぶんなっていないわけです。