筆者がこの夏飼っている、迷い込んできたカブトムシ。研究室でレモンの樹にとまらせてみた(筆者撮影、以下同じ)

 全くの偶然で、この夏「カブトムシ」を飼うことになりました。

 7月初めのことだったと思います。車の後部座席に、偶然迷い込んできたオスのカブトムシがいるのを見つけたのです。

 子供の頃、前の晩に父親の残しておいてくれた少しのビールに大量の黒砂糖を溶かして雑木林の木の幹に塗り、虫を集めたことがありました。

「キィキィ」と呼んでいた、ゴマダラカミキリのデカいのは捕まえたことがありましたが、りっぱなツノのカブトムシを手に入れたことはありませんでした。

 今年は「カブトムシと一緒の夏休み」という、少年のようなことになりました。後述するような経緯で仕事先に籠を持って行くと、なかなかの人気。ちょっとテキヤになったような気分ですね。

 高校生くらいだったか、自転車に乗っていたら何かがぶつかってきた。それがメスのカブトムシで、籠に入れてしばらく飼ったのを覚えています。

 しかし、ほどなくいなくなってしまったように記憶しています。カブトムシをまともに飼えたことは今までありませんでした。

 ところが今年、偶然やって来たカブトムシは、そろそろ2カ月になりますが、しっかり生きてくれている。大事にすれば10月、11月までもつらしい。

 また、この小さな生物から、私たち人類の「コロナ防疫」に有効な知恵もいろいろ得ることができるのです。

 今回は少し趣向を変えて、昆虫系の話題、また「カブトムシディフェンシン」など「自然免疫」の観点から、防疫の知恵についても考えてみたいと思います。