ワクチン接種を拒否して死ぬのは勝手だが、周囲に及ぼす影響は考えてほしいものだ

 知らない落語家の名前で訃報が出ていました。私は特段演芸ファンではなく、昭和末期、圓生一門や立川談志などが脱退する前後からの、毎年大量に出てくる「真打」の大半を知りません。

 しかし、亡くなった落語家は1966年生まれ54歳ということですから、すでに30年選手、わたしより2つ若いことになります。

 画像検索では、恰幅のよい初老の顔貌が見られました。芸の道ではいまだ早世と言うべきでしょう。

 同時に、検索されてきた雑誌記事では「反ワクチンの落語家」「コロナは撃退できると真剣に思い込んでいた」「ワクチンを否定した兄さん」「当人が打ちたがっていなかった」などの文字が並びました。

「反ワクチン」の落語家?

 この文字列自体が、相当おかしな話だと、奇異の念を最初に抱きました。

跋扈する「反ワクチン芸」の類

 このところ「芸能人」インフルエンサーなどによる誤った情報誘導が続いています。悪質さを感じさせられるケースも多い。

 例えば自称「メンタリスト」。冗談みたいなタレントの若者が「年寄連中は人生を謳歌することを知らないだけ、先に死ぬのだから、気にせず若者は町に出よう」式のあおり方をしていたケース。

「科学」を標榜するだけ悪質でした。サイエンスでも何でもない、販促と見えました。

 第2は千葉真一さんの訃報が出た折。千葉さんご自身は特にご自身の「ワクチンは打たない」といった考えをメディアに載せていたわけではないと思います。

 しかし、訃報ののちメディア上でから「ワクチンを打たなかったというのも、千葉さんらしい一つの選択」といった、ワクチンを打たないことを肯定するようなコメントが見られました。これは微妙です。

 私の身近には、アレルギーのため本当にワクチンが打てない若者もいます。体質上無理なのです。

 他方、未接種で感染すれば、周りに多大な影響、はっきり書けば「迷惑」を与えます。