報じられないこと1:コルビュジエ風の窓
これはひと月ほど前に気づいた。中銀のカプセル住戸といえば、短辺方向の壁に取り付けられた丸窓だ。それ1つしか開口部はないというのが共通認識のはず。7月上旬に汐留の美術館を見に行った帰り、いつものように歩行者橋の上からこの建物を眺めていたら、中段部分のカプセルの長辺側の壁に、丸窓ではない窓が複数付いていることに気付いた。
もう少し寄ってみると・・・
この大小の矩形をランダムな並べた窓は、コルビュジエ!(なんのことだか分からない人は「ロンシャンの礼拝堂」で検索を)
今まで何十年もこの窓に気付かなかったのか、不覚・・・と思って、竣工時の写真を見てみたら、この窓はなかった。先に触れた2019年の建築巡礼の写真を見たら、この窓はあった。
一体いつ、誰が、どうやって付けたのか。区分所有法では、全体の決議がないと外壁に勝手に窓を付けたりはできない。ここ10年ほどの保存解体の議論の中で、そんな呑気な決議が通るとは思えない。これは、外からは窓に見えるが、もしかしたら、外から貼っただけの「ツケ窓」なのか? だとすると、コルビュジエ風は何のメッセージ? 結論はないのだが、すごく気になるのである。
報じられないこと2:隣のビルはなぜくっつけて建てた?
これは昔から気になっていたことだ。メディアの全景写真ではよく分からないが、現地に行ってみると、カプセルタワービルの北東側に、「中銀」の看板を掲げたもう1つの白いビルがある。地図上では2棟の建物だが、現地で見ると低層部がくっついているように見える。
グーグルマップで調べると、この建物の名前は「中銀城山ビル」。この中銀城山ビルは「賃貸事務所ドットコム」によると、1982年9月竣工の賃貸オフィスビルのようである。鉄骨鉄筋コンクリート造・地上11階建てだ。
構造的に縁は切れているのだと思うが、なぜこんな一体感を持たせて建てたのだろうか。カプセルタワービルを取り壊すとすると、このビルはどうなるんだろうか。もしかすると、このビルとくっついているから余計にカプセルタワーの土地の価値が高まってしまうのではないか。これも結論はない話なのだが、なんだか気になるのである。