石川県の七尾湾(写真:KUMI/イメージマート)

(柳原 三佳・ノンフィクション作家)

 NHK大河ドラマ『青天を衝け』。6月20日に放送された第19回目の前半には、イギリスの公使ハリー・パークスが登場し、日本に強く開港を迫るシーンが描かれました。

進まぬ開港に苛立つ英公使パークス

 1858年に修好通商条約が結ばれてから7年も経つというのに、なぜ遅々として開港が進まないのかと、パークスは苛立ちを見せます。

 もみ上げから頬にかけて豊かなひげをたくわえたパークスは、一見すると50代をはるかに超えた紳士に思えましたが、実は1828年生まれの彼のこの時点(1865年)での実年齢は、37歳です。当時、国を背負って外交交渉の最前線にいたのは、30代の若手だったのですね。

イギリス公使ハリー・パークス(wikipediaより)

 ちなみに、パークスの日本語通訳を務め、詳細な日記を残したことでも知られているアーネスト・サトウという人物は、1843年生まれ。つまり、このときはまだ22歳という若さでした。