前回稿、「日本中で続発する『生理食塩水』接種のモラルハザード(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/65449)」で、拙速に流れる日本国内での新型コロナウイルス感染症ワクチンの接種体制の危うさを指摘しました。
良くも悪しくも、私はジャーナリストや評論家ではなく、大学で関連研究にも責任を持つ立ち位置からこれらを記していますので、単に「ダメ」を出すだけではなく、どうすれば予防できるか、というマニュアルの指南も、記しておこうと思います。
本来ならこうしたことは、コンサルティングとしてそれなりに対価など得て提供すべきノウハウかもしれません。
しかし、いまは国も世界も一大事です。小異を捨て大同のため、私個人の利害は度外視して、建設的対案を、広い読者層にフリーで公開しますので、医療関係者を含めどうか参考になさってください。
現在のワクチン接種は、「米国などに立ち遅れている」という現状認識のもと、相当拙速に、荒っぽく、乱暴に、打ちまくられている。
私はそれを「田植え機式」と表現して説明しています。
ここには「顔」がない。つまり個人の「名」や「顔」のない集団接種が、起きて必然の事故を発生させている。
以下、東京大学でここ四半世紀、実験系研究室を主宰してきた一理系研究責任者の観点で、極めて常識的な対案を記します。
「顔のない」予防接種
今回の予防接種は、特に大規模会場については、旅行代理店が業務を担当しているケースがあるように聞き及びます。
個々のケースはまちまちだと思うので乱暴には言えませんが、現状の「田植え機式」ワクチン接種は、「観光客」と「土産物売り」の関係によく似ています。
予防接種を受ける人は、観光客。それに対してワクチンを注射するのは、土産物店の「売り子」に相当する医師。
売り子は、お客が山積みにされているどのキーホルダーを買おうと、地元銘菓を購入しようと、個別の差異を問題にしません。売れればよい。
誰に何を売ったという記録は残されず、あとで売り上げとお金のチェックがある。
同じ状態ですね、今のワクチン「事故報道」。