EVコンポーネントの主役狙う日本電産
日本電産の強みは、今後、自動車の主流となるEV(HCVも含めて)において、最大の付加価値を持つ「モーター」という「キーコンポーネント」と、その関連領域の、世界最強水準の企業であることだ。
また、日本電産の強みは、モーターと周辺領域の内外の企業を統合して、単に買収するだけでなく、その価値と技術を向上して、高度な世界企業集団を作り上げたことにおいて、日本一の実績を持つことだ。
今後、中国を中心として、世界中で、電気自動車(EV)への参入は加速していく。同時に、パソコン市場で起きたような、「完成メーカー」から「コンポーネントメーカー」への付加価値の移動が起きるだろう。
これからのEVの世界で、かつてパソコンの世界でインテルが築いたのによく似た、「キーコンポーネント製造企業」の地位に日本企業の中で最短距離にあるのが、日本電産だろう。
さらには次のAEVの社会実装が、車両だけからあらゆる道路、建物、施設にまで及び、しかも、高い安全基準の充足を求められる時に、拡張したキーコンポーネントメーカーとしての、日本電産のフィールドは、飛躍的に拡大が可能になるだろう.
AEVがもたらす新しい経済のエコシステム
以下の図1は、2017年に作成し、最近では、大規模なコンファレンスで発表したものだ。
AEV「自電車」がもたらすエネルギー革命、交通革命、情報革命、生活革命、居住革命、金融革命、そして全体として「太陽経済」という、石炭、石油、に続く「第3の産業革命」の見取り図である。