韓国の若者に漂う閉塞感はコロナ前から

 2020年は新型コロナの感染が数カ月ごとに拡大と小康状態を繰り返し、病院への通院を控える人が増えた。その中で、精神病院やメンタルクリニックを受診した人の数は前年比5万3488人増で、20代の受診が著しく増加している。これらの調査結果と傾向を踏まえ、専門家からは「コロナ禍」を指摘する声が相次ぐ。

 報道された専門家の声を集めてみると、「若い世代にうつ病の増加傾向が見られるのは社会的要因によるストレスの影響があるものと考える」「社会に進出する20代の若者たちが就職難など初めての挫折を経験したことによるショックが喪失感や不安感にもつながり、他の世代よりも多く出ている可能性がある」といった意見が多い。新型コロナによる社会の混乱が、特に若者たちに不安を与えているという面もあるだろう。

 2020年2月下旬より急激に感染者数が拡大した韓国では、3月の新年度のスタートが延期となり、段階的に学校への登校が再開されたのは5月に入ってからだった。飲食店など店舗も休業や時間制限をたびたび余儀なくされるなど生活は混乱した。

 誰にとってもこの1年は今まで経験したことがない苦労の多い1年だったが、特に若者や子どもたちにとっては当たり前にできていたことができなくなり、進路など計画していたことを断念せざるを得ない状況に追い込まれた者もいたことと思う。若者たちの貴重な1年が失われたことへの心労は計り知れない。

 コロナ禍の以前より、低迷する経済や就職難によって既に若者の間では閉塞感が漂っていた。それが、さらに深刻なものとなり、具体的な数字として表れたのではないだろうか。

 若年層のうつ病が増加していることに対しては、文大統領のこれまでの政策の失敗や責任を問う声や批判が多い。