中国軍が毎日のようにバシー海峡方面上空に対潜哨戒機を飛ばしているということは、バシー海峡方面の海中で待ち伏せする中国海軍潜水艦と連携をとっていることも意味している。第2次世界大戦後期にバシー海峡は、待ち伏せしていたアメリカ潜水艦が多くの日本輸送船を沈めたことから海の墓場と呼ばれていた。そのバシー海峡で、今度は中国潜水艦と対潜哨戒機がアメリカ海軍艦艇を待ち受ける態勢を固めつつあるのだ。

台湾の防衛は日本の防衛

 危機を迎えるのはアメリカだけではない。アメリカ海軍が南シナ海に出入りする際に通過するバシー海峡は、日本にとってはアメリカ海軍などとは比較にならないほど重要な「チョークポイント」となっている。すなわち、中東方面そして東南アジアから原油や天然ガスを日本にもたらすタンカーの大半が南シナ海を北上してバシー海峡を抜けて日本に達するからである。

 バシー海峡が中国軍にコントロールされる状況になった場合、日本のエネルギー源は途絶してしまう可能性も生じてしまう。したがって、毎日のように台湾ADIZ南部上空に中国軍機が侵入を繰り返している現状は、日本にとっても直接脅威となっている。まさに台湾の防衛は日本の防衛そのものなのである。