航空機発射型対艦ミサイル「LRASM」(写真:ロッキード・マーティン社)

(北村 淳:軍事社会学者)

 米軍当局はロッキード・マーティン社に137発の航空機発射型対艦ミサイルの開発製造を4億1400万ドル(各種支援費用込み)で発注した。これだけの数のミサイルを一度に発注するのは珍しい。

 米海軍と米空軍が調達を急いでいるこのミサイルは「LRASM(長距離対艦ミサイル)」である。米海軍はF/A-18E/F戦闘攻撃機に、米空軍はB-1B爆撃機に搭載する。

 中国の海洋戦力(海上戦力、海中戦力、航空戦力、長距離ミサイル戦力)の充実が著しく、南シナ海や東シナ海においてアメリカ海洋戦力が後れを取り始めた状況をなんとか打開するために、米軍当局が慌てて調達を進めているのだ。

LRASMによる攻撃イメージ(写真:ロッキード・マーティン社)