バシー海峡で待ち伏せする中国潜水艦

 この日常的ともいえるようになってしまったバシー海峡接近飛行はY-8対潜哨戒機によって実施されている。ただしアメリカ海軍の動きに合わせて、すなわちアメリカ海軍艦艇がバシー海峡を通過する前後などには、対潜哨戒機だけでなく数機の戦闘機や爆撃機、それに早期警戒管制機も加わわってADIZに侵入し、バシー海峡上空を往復する動きを見せている。

中国軍のY-8対潜哨戒機(出所:台湾空軍)
中国軍のKJ-500早期警戒管制機(出所:台湾空軍)

 このような中国軍機の動きは、政治的にはバイデン政権への揺さぶりと対中国軍事政策の真意を観察するためにしばらく続くものと思われる。

 そして軍事的には、アメリカがこれまでどおりに横須賀やグアムから空母打撃群や駆逐艦、攻撃原潜を南シナ海に送り込むことは「もはや安全とは言えない」というメッセージを米インド太平洋軍や米大平洋艦隊、それに第7艦隊に突きつけていると考えられる。