新型コロナウイルスの流行が始まる直前の中国・武漢(2019年11月、著者撮影)

日本に対して良い印象を持つ中国人が増えている一方で、多くの日本人が中国にネガティブな印象を持ち続けている。それはなぜか? 中国各地を旅して中国の魅力を伝える活動をしている著者が、各種の調査を基に明らかにする。(JBpress)

 いまこの記事を読んでいるあなたは、中国に対してどんな印象を持っているだろうか。私はその答えが聞かなくてもわかる。もし私の読みが間違っていたならば、あなたは“めずらしいほう”だ。

世界一ネガティブな日本人の対中認識

 2021年2月19日、内閣府が「外交に関する世論調査」(2020年10月~12月実施)を公表した。それによると、中国に親しみを感じる日本人は22.0%にとどまる一方、77.3%もの日本人が親しみを感じないという(図1)。これはどちらにも「どちらかというと」親しみを感じる、あるいは感じない人を含めた数字だが、それらを除いた場合の割合は、3.9%(親しみを感じる)対41.0%(親しみを感じない)となる。日本人の対中認識は、とてもネガティブだ。

図1:中国に対する親近感 (出所)内閣府「外交に関する世論調査」(2020年10月調査)
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【本記事は多数の図版を掲載しています。配信先で図版が表示されていない場合は、JBpressのサイト(https://JBpress.ismedia.jp/articles/-/64411)でご覧ください。】

 このような傾向は、他の調査でも明らかになっている。

 例えば、言論NPOの「第16回日中共同世論調査」(2020年9月~10月実施)によると、中国に良い印象を持っている日本人はたったの10.0%であり、良くない印象を持っている日本人は89.7%になる(図2)。

図2:相手国に対する印象 (出所)言論NPO「第16回日中共同世論調査」