2月1日の軍によるクーデターから3週間以上が経過し、軍による統制強化と国民による「反クーデター」運動の拡大で混迷の度をさらに深めているミャンマー。その情勢打開に向けて国際社会が動き始めている。
「クーデター反対」「アウン・サン・スー・チー国家最高顧問兼外相らの即時解放」を掲げ、欧米が軍高官の海外資産の凍結など経済制裁で「圧力外交」を展開する一方で、ミャンマーなど10カ国が加盟する東南アジア諸国連合(ASEAN)では、大国インドネシアが旗振り役となって「ASEAN流の調停」で事態収拾に乗り出しているのだ。
インドネシアの調停案にミャンマー国民反発
ところがこのインドネシアが主導する「調停案」がミャンマー軍の主張に沿ったもので、多くのミャンマー国民の「反クーデター」感情を反映していないものである可能性が一部報道で伝えられている。そのため今ミャンマー国内では、反インドネシア感情が渦巻く事態となっている。
ASEAN加盟国で起こったクーデターという政治的混乱の収拾に、インドネシアは当初から積極的に関わる意思を見せてきた。
インドネシアはクーデター発生直後から「民主政権の力による転覆」という事態への遺憾を公式に表明。5日にはジャカルタを訪問したマレーシアのムヒディン首相とジョコ・ウィドド大統領が、両国外相を通じてASEANにミャンマー問題を協議する「特別外相会議」の早期開催を2021年のASEAN議長国ブルネイに求めていくことで一致した。