(政策コンサルタント:原 英史)

「電力市場大混乱」の先にある知られざる日本の危機』を2月6日に公開した(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/63972)。

 これに対し、公開・非公開でたくさんのご意見・ご批判をいただいた。多かったのは「新電力に肩入れする偏った主張だ」といった内容だ。私の記事で「大手電力から新電力・消費者への遡及的還元」を提言した部分が批判の的になった。

 だが、私は「新電力の救済」を求めているのではなく、問題にしたのは「市場設計の欠陥」だ。同時に「リスクヘッジもせず市場参加していた新電力の責任」も指摘している。率直にいうと、中身をきちんと読まれているのか疑問に思う批判も少なくなかった。

石川和男氏とのフェイスブック上の討論

 対立のある論争ではしばしば、「どうせあいつらの主張は・・・に違いない」との思い込みで、レッテルを貼って切り捨てることが起きがちだ。「・・・」には、「××原理主義」や「利益誘導」などが入る。

 私はこれは勿体ないことだと思う。異論をシャットアウトせず、徹底的にぶつけあってこそ、より良い解決策を導き出せる。

 そんな思いもあったので今回、私の記事を巡って、石川和男氏(社会保障経済研究所代表)とフェイスブック上で徹底討論してみた。

 石川氏はかつてともに経済産業省に勤めていた元同僚で、エネルギー分野のプロ中のプロ。私の記事をみて「大いに異論あり」と連絡してきた。2月6日~10日の間に50件以上のコメントをぶつけあい、一致できた点もできなかった点もある。討論を通じ、対立の本質はクリアになってきた。

(注:石川和男氏とのフェイスブックでの討論は、以下で公開している。本稿での紹介は、どうしても私の目線になってしまう点はおことわりしておきたい)
https://www.facebook.com/eiji.hara.7127/posts/769823363643231
https://www.facebook.com/eiji.hara.7127/posts/771097386849162